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【ハイキュー】ウシワカイモウト第二部

第33章 ・【外伝】尊敬


白鳥沢学園高校男子バレーボール部が練習している体育館の入り口で妙なやり取りが展開されていた。

「嫌です兄様。」
「またか、休み中にああいう事があったというのに聞き分けが悪い。」
「兄様が無茶を仰るからです。それとこれとは話が別です。」
「無茶じゃない。」
「では紅茶ですか。」
「悪くはないがいくら俺でもそれで誤魔化されるつもりはない。あとお前にしてはセンスが感じられん。」
「あら何て事。いずれにせよ嫌です。」
「どうしたものか。」
「なあ、あれ何だ。」

1年の寒河江が牛島兄妹のやり取りしている様を見てこそこそと隣の赤倉に言う。

「嫁が牛島さんの忘れ物届けに来てついでに今日は親が遅くなるらしいって言ったらあれ。」
「まさか牛島さんまた待っとけとか言ったのか。」
「らしい。」
「だから嫌っつってんだな。」

五色以外のバレー部の1年達もすっかり文緒イコール若利の義妹兼嫁という認識である。

「だけどすげーよなぁ。」

寒河江は呟いた。

「あいつ元々他人だろ、それで親が死んでいきなりあの牛島さんと一つ屋根の下になってさ、なのにすっかり慣れて牛島さんには言いたい放題しかも五色のお守りまでしてんだもんな。」

赤倉がそれな、と頷いた。

「俺らだったら牛島さんに面と向かって嫌ですなんて言えねー。」
「おう、無理無理一生無理。」
「おいっ、俺は文緒にお守りなんてされてねーぞっ。」

途中の寒河江の話が耳に入ったらしき五色が声を上げ、寒河江は笑ってごまかす。赤倉はその間に牛島兄妹に目をやってあ、と呟いた。

「天童さんが飛んできた。」
「嫌な予感しかしないよな、大丈夫か嫁。」

生憎大丈夫ではなく更におかしなやり取りが展開された。

「若利くーん、まぁた文緒ちゃん困らせてんの。」
「俺じゃない、文緒が俺を困らせている。」
「何て事。兄様がまた残れなどと妙な事を仰るからです。毎度毎度私が遠出したり働きだしたらどうなさるんです。兄様が迎えに来れるわけでもないでしょうに。」
「それなのだが未だどうするか決めかねている。」
「決めなくて良いです、天童さんは笑い過ぎです。」
「無理無理無理無理、そんな会話聞かされたら笑うってのが無理っ。てか2人ともいつもそんな話してる訳っ。」
「兄様が見当違いだからです。それと」
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