第27章 ・他所の宿題 その2
「チームの人からは迷子札とか首輪とかずっと言われっぱなし。おまけに青城の及川さんにまで同じ事言われた。」
「及川さんにもかよ。」
「兄様とおでかけしたらたまたま会ったの。岩泉さんも一緒だった。」
「ひぃぃぃぃ何て凄い遭遇、私だったら気絶しちゃうっ。」
「何かよくわかんないけど」
日向が言った。
「あの人が文緒さんすっげぇ大好きになれたんだってのはわかった。」
「う、うん。」
「良かったな、文緒さん。」
日向にストレートに言われ、文緒はうんと笑って頷いた。
奇遇にも例のペンダントの話はこちらでもなされていた。
「そういや文緒って家でもあの迷子札つけてんのか。」
「瀬見、何度も言うが迷子札ではない。」
「お前が文緒にくれてやった理由考えたら他に言いようがねーわ。」
「納得が行かない。それと家でもしている。」
「愛ですねぇ。」
「太一、どっちのだよ。」
「そりゃ賢二郎、文緒さんの愛。」
「文緒さんは律儀だからなぁ。」
「いや待て獅音、やっぱりそのせいで迷子札感とか首輪感が凄くねぇか。」
「俺も隼人クンにまるっと同意だけどね、いんでない若利クンと文緒ちゃんだし。」
「天童はバレーに影響しない程度に面白けりゃ何でもいいんだろうがよ。」
「もー英太クンは相変わらず細かいなぁ、それとあの服装センス何とかしないと文緒ちゃん以外にモテないよー。せっかくイケメンなのにさ。」
「こ、の、ヤロっ、ぶっ飛ばすっ。」
「瀬見さん落ち着いてくださいっ、文緒が泣きますっ。」
「はい、天童はこっちね。隼人は工を頼むよ。」
「おう。」
「何で俺なんですっ。」
「訳わかんねー止め方しようとすっからだってのっ。」
「最近皆がちょくちょく騒がしいのだがどうしたことか。」
「大体自分のせいだって何でわかんねーんだ、こいつは。」
「それと大平だけでは間に合っていない気がする。添川にも声をかけた方がいいのか。」
「やめろ馬鹿、添川までお前の溺愛劇に巻き込んでやるな。」
「溺愛ではなく純愛のつもりだが。」
「新しい返しが来やがった。」
次章に続く