第27章 ・他所の宿題 その2
そんな茶番を挟みつつも4人は勉強に勤しんでいたが一度休憩を取った。
「これが海行った時の写真。」
文緒が例の携帯型映像機器の写真を呼び出している。
「うわぁ、やっぱりおっきい人ばっかり圧巻ー。」
「ウシワ、文緒さんの兄ちゃん機嫌悪かったの。」
「いつもこんな感じだよ。」
「やっぱみんな鍛えてんな。」
「影山君はそこなの。」
「うぐぐ、でっかい相手いっぱいでも負けねー。」
「何か日向が燃えちゃってるけどそのままでいいのかな、谷地さん。」
「う、うん、いつもだから。」
「マネージャーさんも大変だね。」
「あはは、まあ慣れたかな。」
文緒は谷地と話していて携帯型映像機器から一瞬意識がそれる。それがまずかった。
「ん、何これ雑誌の写真みたい。かっけえ。」
日向に言われて文緒は飛び上がるところだった。慌てて画面を見ると天童の悪ノリで撮られた若利とのツーショットを集めた画像が表示されている。どうやら誤って横にスワイプしたらしい。
「すっごくいい感じの角度で撮れてる。加工もオシャレだね。」
文緒からすると意外な事に谷地も食いつき、影山がおいと核心をついてきた。
「何でお前とウシワ、牛島さんばっかり写ってんだ。」
文緒は今までで一番激しく動揺した。
「べべ別に、海に行った時にチームの人がせっかくだから思い出にって撮ってくれたってだけだよ、うん。」
聞き手の3分の2は単細胞であった事は幸いだ。
「へー、いい人だなっ。」
「てかお前チームの人に随分認知されてんのな。」
「影山が認知とかちゃんと言ったっ。」
「日向ブットバスっ。」
「やめろここ谷地さんちだぞっ。」
勝手にわあわあ言い出す変人達を他所に谷地が文緒に言う。
「何だか、兄妹って知らない人が見たらラブラブに見えちゃうね。」
文緒は再び飛び上がりそうになった。
「谷地さんまで何て事っ。」
「あはは、ごめん。」