第26章 ・他所の宿題 その1
「影山君の勉強にと思っただけだよ。」
影山はぐうの音も出なくなり途端に大人しくなる。そして2人がやりとりしている間に日向と谷地はヒソヒソと言い合ってた。
「谷地さん、文緒さんもしかしてちっと怒ってた。」
「た、多分。」
「こええけど影山に漢字クイズ出してやり返すってすげえ、流石ウシワカの妹。」
「うん、流石。もしかしたらあのお兄さんと比べたら大抵の事は怖くないのかも。」
「おお、何かわかる気がする。」
お前らポイントはそこなのかと突っ込んではいけない。
「後私思ったんだけど」
「何が。」
「文緒さん基本優しいけど売られた喧嘩も何気に買っちゃうタイプ、なのかな。」
「それはそれでこええ。」
日向はブルルッと震えた。
その頃文緒の義兄である若利はバレー部の練習に励んでおり、愛する義妹がまさか得体の知れない烏に勉強を教えているなど思いもしていなかった。
次章に続く