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【ハイキュー】ウシワカイモウト第二部

第24章 ・海へ行く話 その5


あるいは若利が文緒が泳ぐのを手伝っている時もあった。

「しっかり捕まっていろ。」
「はい、兄様。」
「ゆっくり進む。無理をさせるつもりはないから安心しろ。」
「はい。」

心配したらしくついてきた瀬見がまったくよーと呟く。

「最初からそーすりゃいいのに何だっていっぺん文緒乗っけたんだ。」
「良い方策だと思った。」
「阿呆だろお前。」
「まあまあ瀬見さん、その辺りにしてくださいな。」

若利に手をひかれながら泳ぐ文緒に言われて瀬見がしょーがねえなと言った途端に当の文緒がわっと一瞬沈む。

「どうした。」
「心配すんな若利大体見当つく、こら天童っ。」
「ちっ、何でわかったのさ。」
「他にやる奴いねーだろ。つか足引っ張るとかガキか。」
「ああ、びっくりしました。」
「天童、次からは控えろ。肝が冷えた。」
「若利君が肝冷やすだなんて嫁ちゃんの威力絶大だねえ。」
「文緒は手を離すな。ここは少し深い。」
「ですが兄様、」
「ほれほれ天童はあっち行け。良かったな、水かけられずに済んで。」
「ほんっと今日は嫁ちゃんがいつも以上に好戦的ダネ。」
「大体お前か工のせいだろ。」
「続けるぞ、文緒。」
「はい、兄様。」

こんな一幕もあった。

「文緒、そのわらび餅どうしたんだよ。」

爪楊枝に刺さったわらび餅を嬉しそうにモクモク食する文緒に五色が言う。

「よくわからないけど屋台の人におまけもらっちゃった。」
「良かったなっ。」
「うん。」
「お嫁さんはいつから他所の人まで魅了する子に。」
「前からだ、川西。だから油断がならない。」
「どんだけ嫁スキーだよお前っ。」

山形が突っ込むも若利は首を傾げる。

「事実だが。それにまだ嫁じゃない。」

殴りてえと呟く山形に瀬見が口を挟んだ。
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