第20章 グレイ scene2
「…いいよ?」
ニノと智くんは紙袋から次々と何かを取り出した。
それをリビングのテーブルいっぱいに並べた。
「え…?」
それはチョコやマシュマロやクッキー、ケーキにキャンディーまであった。
「これ、なあに?」
「ホワイトデーだよ。忘れてた?翔がバレンタインに俺たちにチョコくれたでしょ?お返しだよ」
そう言って、智は俺にキスをくれる。
「ホント…?」
「ほんとだよ」
でも智くんはどんどん俺の服を脱がしていく。
とうとう俺は、裸になってしまった。
「あの…?え…?」
「一緒に食べてあげるから…」
そう言ってニノはキャンディーを一つ唇に挟んだ。
そのまま俺の唇にキャンディーを押し付けた。
コロンと俺の口の中にキャンディーが入ってきた。
「…美味しいでしょ…」
キスしたままの姿勢でニノが言う。
「うん…甘酸っぱい…」
「それはクランベリー…」
そのままニノは俺の唇に吸い付いた。
「…ほんとだ。甘酸っぱい」
俺の口に舌を差し込むと、キャンディーを持って行った。
「あ…」
なんだか寂しくなった。
くすっとニノが笑うと、今度は智くんが、唇にホワイトチョコを挟んで俺の唇につけた。
唇を開くと、またコロンと俺の口にチョコが入ってくる。
クランベリーの味と、ホワイトチョコが混じって、とても美味しい。
「美味しいでしょ…クランベリーとホワイトチョコ」
「うん…甘ったるくなくて美味しい…」
智くんはもう一個、ホワイトチョコを咥えた。