第3章 萌葱-moegi-
智と俺が触れると、一瞬身体が強ばった。
舌の動きを止めないまま、俺は下の口を、俺を使ってほぐしていく。
ゆっくりゆっくりと入る準備をする。
智の息が、どんどん上がっていく。
荒い息を俺の口の中に出して、俺を煽る。
口の端から、唾液が溢れだして。
それを舌で舐め取りながら、また顔を見た。
荒い息をつきながら、俺を見上げる瞳は、俺しか映っていない。
「好きだよ…」
「雅紀…」
おでこをつけながら、二人で目を閉じた。
智だけを感じた。
ゆっくりと腰を進めた。
熱い襞の向こう側に、少しずつ入っていく。
痛くならないよう、ちょっとずつ。
ちょっとずつ。
「う…ぁ…熱いよ…雅紀…」
「さ、とし…力…抜いて…」
「わかんな…」
「足のちから…抜いて…」
「ん…」
突っ張ってる足のせいで、奥にすすめなかった。
足の力が緩むと、少しだけ前に進んだ。
「あっ…入れてっ…もっとっ…」
「だめっ…ゆっくりしないと…」
「いいからっ…もっと雅紀をっ…」
「ダメだよ…痛くなるから…」
「早く…全部っ…」
目の端に涙をためながらいうから、できないよ。
そんなこと…