第20章 グレイ scene2
「無理、してなかった?」
「え?」
「翔ちゃんはすぐ無理するんだから…無理してたんでしょ?」
「してないよ…」
「じゃあ、考え過ぎてたでしょ」
「え…」
「俺のこと…」
「和也…」
「ほら、当たった…」
和也は笑うと、俺を膝の上に載せた。
「俺のこと考えすぎて、心配してたんでしょ?」
「ん…なんでわかるの…?」
「わかるよ…だって俺は、翔の彼氏だよ?」
そう言って、シャツの裾から手を入れてきた。
「ひゃっ…」
「あ、ごめん冷たかった?あっためてね」
「お、鬼…」
手が、脇腹をなでて背筋を撫でていく。
俺は和也の目を見つめながら、和也のシャツのボタンを外した。
「…翔ちゃん、もう欲しいの?」
「だめ…?」
「だめじゃないよ…」
和也もシャツから手を出して、俺のシャツのボタンをゆっくりと外した。
その間、じっと俺たちは見つめ合った。
全部ボタンが外れると、シャツを剥ぎ取られた。
俺は和也のシャツの前を開けると、胸板に吸い付いた。
少し身体がびくっとして、とても嬉しかった。
俺の外気に晒された上半身には、和也の手が這いまわった。