第20章 グレイ scene2
「じゃあ、朝ごはん食べようか」
「うん」
大野さんもキッチンに入ってこようとするから、リビングのソファに座らせた。
「今日は俺がやってあげるから」
トーストと目玉焼き、それに肉厚ベーコン。
サラダも作って食卓に置いた。
「大野さんいいよー」
「はーい」
食卓を見ると、嬉しそうな顔をしてイスに座る。
二人で他愛もない話をしながら朝食を食べてしまう。
「ごちそうさまでした」
丁寧に手を合わせて頭をさげると、俺の顔をみた。
「ニノ、ありがとう…」
「じゃ、片付けるから」
「俺やるよ」
「いいよ。食洗機いれるだけだし」
そう言って押しとどめて、手早く片付けた。
リビングに戻ったら、ソファの上で膝を抱えて座っていた。
「寝てればよかったのに」
「だって…ニノにばっかりやってもらってて悪いよ…」
「そんなの気にすることないのに…」
そう言ってぎゅっと抱き寄せたら、ちょっと身体が強ばった。
「…大野さん、まだ怖いの…?」
「え…怖くはないけど…」
そう言って真っ赤になって下を向いてしまった。
「けど?」
「なんでもない…」