第20章 グレイ scene2
リビングの片付けをして寝室に戻った。
大野さんは広いベッドなのに、身体を小さくして隅っこで眠っていた。
こういう眠り方するときも、疲れてるんだよな…
暖房を消して、電気もスモールにした。
そのままベッドに潜り込んで大野さんを引き寄せた。
ころんと身体を返して、俺の腕の中に入ってきた。
顔を見つめていたら、疲労の色が浮かんでた。
「お疲れ様…大野さん…」
慣れないドラマの現場で、いつも以上に神経を使っているんだろう。
最近、よく眠れてなかったみたいだし…
そっと身体を抱きしめて、なるべく楽に眠れるよう身体を傾けた。
鼻詰まってるから、横向きのほうがいいんだよね…
俺の腕の中で、すやすや眠る息を聞いているうちに、俺も眠ってしまった。
翌朝起きたら、大野さんが腕の中に居なかった。
「あれ…?今日そんな早かったっけ?」
リビングに行くと、大野さんは誰かと電話で話してた。
ちょうど通話が終わるところだった。
「どうしたの?」
「今日ね、急に休みになった」
「えっ…ホント?」
今日は俺も休みだった。
そしたら、二人でゆっくりできる…!