第1章 しあわせはここにある-parallel-
打ち上げが終わって、すぐに病院に駆けつけた。
足元がふらついた。
まだ未成年だから、本当はだめだけど酒を飲んだせいだ。
飲まずには居られなかった。
10階の特別室に、大野さんは入っていた。
事が事だけに、VIPに入れないとどこから漏れるかわからないからだろう。
小さめの部屋をあてがわれていた。
部屋にそっと皆で入った。
事務所の偉い人間が、何人も居た。
俺達の顔を見ると、顎をしゃくって中に入れと合図した。
専務もいた。
「全員いるわね?」
そう確認すると、大野さんをみた。
俺達もつられて大野さんをみた。
点滴の管や、コードがたくさん身体から出てる。
心拍を計る機械の音が、規則正しく鳴っている。
顔を見ると、腫れて青黒くなっていた。
閉じられた目は、永遠に開かないんじゃないかと思うほど、固く閉じられていた。
「大野はね…ずっと暴行されてたみたい…」
専務が重い口を開いた。
1年ほどまえから、ずっと暴行されてて、その屈辱的な写真まで撮られて。
おまけに逃げたら、俺たちのこともヤるぞって言われてたらしい。
警察の人が、まだ聴取は終わってないけど専務にこっそり教えてくれたらしい。
相葉さんが泣きだした。
つられて潤も泣く。
俺と翔さんはただひたすら呆然としていた。