第1章 しあわせはここにある-parallel-
翌日も、大野さんの様子を見に病院に行った。
今日はバラバラで仕事だったので、俺が一番に着いた。
そっと部屋にはいると、大野さんはまだ目を覚ましていない。
大野さん付きのマネは俺の顔をみると、気を利かせたのか席を外した。
まだ顔は腫れ上がっていて、目は固く閉じられていた。
心拍を計る機械の電子音だけが、部屋に響いてる。
外は明るかったのに、この部屋は薄暗くて。
ブラインドが閉まっていたから、少し開けた。
陽の光が入って、大野さんを振り返ったら、布団からでる手にびっくりした。
こんなに細かったっけ…?
その手首を取る。
軽い。
どうして…どうして黙ってたの?
なんで言ってくれなかったの?
問いかけが出そうで、歯を食いしばる。
言えなかったんだ…この人は…
俺たちを守るために…
ただひたすら自分を犠牲にしたんだ…
それを責めることなんてできない…
携帯にメールがくる。
みんな到着したみたいだ。
大野さんが目を覚まさないので、裏口までそっと皆を迎えに行った。
「あ、ニノ…どう?」
翔さんが手短にたずねてくる。
「まだ…寝てる…」
「そっか…」
潤と相葉さんは無言だ。
そのまま4人で部屋に向かった。