第19章 不言色(いわぬいろ)
「どういうこと…?」
思わず二人の前に飛び出していた。
「なに…?翔さんのこと抱くとか…」
「和也っ…」
「雅紀…翔さんに何したの!?」
「お前…今の…」
「聞いた…聞こえたよ…ねえ…どういうことなの!?」
「和也っ…」
翔さんが俺を抱きしめた。
「ごめん…ごめんな…」
「翔さんっ…」
「俺、大丈夫だから…なんともないから…」
「翔さんっ…ごめんっ…俺のせいだっ…」
「違うから…大丈夫だから…」
「ごめんっ…翔さん…俺がはっきりしなかったから…」
「いいんだよ…雅紀のこと、傷つけたくなかったんだろ?わかってるから…」
俺は翔さんから身体を離した。
雅紀は真っ青になってこちらを見ている。
「雅紀…もう、やめよ?」
「和也…」
「もうわかってるでしょ?俺たちもうだめだよ…」
ぎりっと雅紀が手を握りこむ。
「それに…もう、俺と翔さん愛し合ってる…お前が割り込む余地はないんだよ…」
「ふざけんな…」
「ふざけてるのはどっちだよ。こっちが誠意を持って話そうとしてたのに。翔さんにお前何したんだよ…」