• テキストサイズ

カラフルⅡ【気象系BL小説】

第19章 不言色(いわぬいろ)


気づくのが遅すぎた。


いや…今はもう気づいた。


それにニノの心は、俺に向いている。


だから、待つしかない。


ニノを信じて…





それから、俺達は相変わらず隙を見ては密会する日々だった。


何ヶ月もそんな状態が続いて、そろそろアルバムのレコーディングが始まろうかという時期になっていた。


雅紀と俺は、つかず離れず。


適度な距離を保ちながら、なんとか過ごしているという状態だった。


雅紀が俺と和也のことを知っているのかはわからない。


和也から、雅紀のことを聞くこともなかった。


聞いたら、嫉妬で和也を壊してしまいそうだったから。


薄々、雅紀はなにかを勘付いては居るだろう。


だが、あれから俺たちは完璧に密会をし続けた。


証拠は出さない、残さない。


もしも誰かに聞かれたとしても、ミーティングとして処理できるように体裁は整えていた。


だから雅紀は確証が持てないのだろう。


そんな簡単に壊されてたまるか。


俺は…


この頃になるともう確信を持っていた。


和也のためなら死ねると。


そして、和也も死んでくれると。


だから、和也と一緒にいるためならなんでもする。




たとえ、それが人を殺すことだって。




俺は厭わないだろう。

/ 1015ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp