• テキストサイズ

カラフルⅡ【気象系BL小説】

第19章 不言色(いわぬいろ)


手に、衝撃が残ってる。





車の助手席には泣きじゃくるニノが乗っている。


俺はあの瞬間、雅紀を殴り倒した。


そのままニノの腕を掴んで車に乗せた。


急発進で車を出すと、ニノのすすり泣く声が聞こえて、やっと我に返った。




一体、俺は何をしたんだ




考える前に、勝手に身体が動いていた。


我を忘れるほど、理性が吹っ飛んでしまっていた。


「ごめん…ニノ…」


前を見ながら声を掛けるので精一杯だった。


でもニノの嗚咽は増々大きくなる。


途方に暮れた。


「…お前たち、付き合ってんの…?」


そうとしか考えられなかった。


だとしたら、俺のしたことはとんでもないことで。


確認しておかなければならなかった。


ニノを伺うけど、なんの返事もない。


ただすすり泣く声だけが延々と続いた。


「ごめん…」


俺の声は虚しく宙に散った。





ニノの家に送っていこうと車を進めていたら、突然腕を掴まれた。


「今日、帰りたくない…」


「え…?なんで?」


またニノは黙りこんだ。


口を真一文字に引き結んで、じっと俺の顔を見た。


「翔さんの家、行こ…?」

/ 1015ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp