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カラフルⅡ【気象系BL小説】

第19章 不言色(いわぬいろ)


後ろから足音が聞こえた。


気にも留めないでそのまま窓の外を眺めていたら、ずっと後ろで止まっている。


何気なく振り返ったら、ニノが立っていた。


「…なに…」


思わず不機嫌な声が出てしまった。


「ごめん…謝ろうと思って…」


俯いてる姿を見たら、急にどうでも良くなった。


「いいよ…別に…」


そのまままた窓に向き直ったが、ニノは動かなかった。


「なんだよ」


「翔さん…」


呼びかけられたから振り向いたら、手を握られた。


「戻ろ?」


そのままニノに手を引かれて楽屋まで戻った。


すれ違う人に怪訝な目で見られたけど、ニノは一向に気にしていない。


だから、俺も気にしないようにした。


なんか、そのほうがいいかと思ったから。


それに…


手を離したくなかった。


楽屋に戻ると、雅紀と智くんが戻ってきていた。


「あ、おかえり」


智くんがふにゃふにゃしながら言うと、潤も顔を上げた。


「仲直りしたんだ」


「え?」


「仲直りって…」


思わずニノと目を合わせると、智くんが首を傾げた。


「ケンカしてたの?」


「いや、別に…なあ?」


「うん…まあ…」


雅紀はじっと俺たちを見ていた。


いや、正確には俺とニノの繋がれた手を見ていたのだろうか。
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