第3章 萌葱-moegi-
本当は盆踊りでもしたいくらいうれしいんだけど…
今は、信じられなくて。
この呆然に浸っていた。
リーダーの手が、俺の目を覆って。
「とにかく、少し寝なよ…」
そう言ってくれたから、キス?の余韻に浸りながら、俺は意識を沈めていった。
とてもふわふわした気分で。
ゴツっという音で目が覚めた。
額に衝撃が走った。
「!?」
目を開けたら、暗かった。
起き上がると、リーダーの腕が俺の頭にあたっていたようだ。
すぐ横で寝ている。
むにゃむにゃ寝言を言っている。
可愛らしくて、思わず見惚れた。
「あいばにゃん…」
ぶほっ…
俺、リーダーの夢に出てきてるの!?
「ちゅー…」
ちゅー?
リーダーの唇がタコみたいに突き出された。
思わず俺はそのタコに食いついた。
唇を離すと、にひゃって笑った。
あ、
ヤバイ…
リーダーのさらさらの髪を撫でて、また唇に吸い付く。
「もっと…」
寝言が俺を煽る。
「止まらなくなるよ…?リーダー…」
声が掠れた。
眠っているのに、話しかけても無駄なのに…
「ちょうらい…」
またにへっと笑うから、ブレーキが壊れた。