第18章 ポンパドール scene2
「あのね…智…」
「…ん?…」
「できなかったらいいんだけど…」
「なに?」
身体を智のほうに向けた。
正面から、じっと目を見つめた。
「俺のこと、抱ける?」
あの日、ニノは俺を途中まで抱いた。
挿れることはしなかった。
「だって潤、バージンだもんね」
なんて言って笑った。
俺がニノに抱かれて果てると、満足気にニノは笑った。
「ね?潤も抱かれること、できるよ…だからこわがらないで…」
「でも…ニノ…」
「大丈夫だから…ね?大野さんに、抱いてって言ってみなよ」
そうして俺の耳元に優しく囁いた。
「凄く可愛かったよ…潤。挿れちゃいたかった」
そう言って、俺の後ろに入れたままの指をぐいっとまた動かした。
「あっ…やんっ…」
「かわいい…潤」
「いやっ…ニノのばか…」
ニノの胸に顔を埋めると、ニノの心臓の音が聞こえた。
「ドキドキしちゃうよ…潤、かわいいんだもん」
俺の髪を梳くように撫でると、額にキスをくれた。
「潤。自信持って。大野さんが好きなのは、潤だけなんだから」
そう言って、俺の唇に最後のキスを落としてくれた。