第18章 ポンパドール scene2
「俺も、ニノと寝たよ」
「えっ…」
「凄く気持ちよかった」
「潤…」
ぐっと智が拳を握りこむのがわかった。
本当は俺を責めたいんだろう。
だけど自分も浮気してるから、責めることなんてできない。
「怒った?」
「え?」
意外な質問だったのか、智が驚いた顔をした。
「お、こってないけど…」
しどろもどろで答える。
「でも…嫌だ…」
「どっちがいやなの?恋人である俺が浮気したこと?それとも浮気相手のニノが浮気したこと?」
「潤の浮気に決まってんだろ!」
今度は即答できた。
「俺ね…智がニノと浮気したって知って、ニノを脅した」
「え…?」
「脅して、智からニノを取り上げようとした」
「潤…そんな…」
「でもね…ニノに言われたんだ。智は、俺のことが大好きだって。ただ、セックスに不満があるだけだって…」
「えっ…不満なんてないよ!?」
「じゃあなんでニノと寝てるの?」
「え…」
智は考えこんだ。
「気持ちいいから…」
「男として、気持ちいいからだよね?」
「…うん…」
とてもきまり悪そうな顔をして、智はソファに凭れた。
「ごめん…潤。もうしないから…」