第18章 ポンパドール scene2
「え…?潤のこと、俺が抱くの?」
「うん…」
恥ずかしくて顔が見られない。
けど、ここまで言ったからもう逃げられない。
それに…やっぱり智と離れたくない。
「いいの…?」
ゴクリと智が唾を飲み込む音が聞こえた。
「…うん」
声が消えそうだった。
俯いて顔を上げることができなかった。
「そのかわり…もう、俺だけにして…?」
「潤…」
「俺のものになってよ…大野さん…」
声が、上手く出なかった。
「俺だけのものになってよ…」
涙が出てくる。
頬を伝って流れても、拭うことができなかった。
「潤…ごめんね…ごめん…」
そっと後ろから智が俺を抱きしめる。
「そんなに苦しませてごめん…」
「智…」
思わず智の胸に飛び込んだ。
「抱いて…」
智は微笑むと黙って立ちあがった。
俺の手を引くと寝室へ入った。
「潤を、ちょうだいね…」
「うん…」
そっと俺をベッドに寝かせた。
くすっと笑うと、額にキスをくれた。
「乱暴にして欲しい?」
「えっ…」
「だって、潤好きでしょ?」
「す、好きなのは智だろ?」