第3章 萌葱-moegi-
車に入ってふたりきりになると、甘えた声を出す。
「ねえ、どっかご飯いこうよぉ」
「ええ~?しょうがないなぁ」
そういいながらも、今日行く店は決まってる。
前から連れて行きたいと思っていたお店がある。
「あ、でも…」
「ん?」
「今日は、相葉ちゃんちいこ?」
「は?」
「相葉ちゃんちでピザ食べよ?」
「へ?」
「急に宅配ピザ食べたくなった」
「…なんでリーダーんちじゃないの?」
「俺のマンションの客用の駐車場、この前から工事の業者入ってて使えないの」
「いや、そんな問題じゃなくて…」
「なんで相葉ちゃんちじゃだめなの?」
心底不思議ですって顔をして俺を見る。
普通…そうだよな…
俺、でも自信ない。
俺んちにリーダー来て、襲わない自信がない…
だって、俺、いつでも襲えるようにローションとか、いろんなもの準備しちゃったんだよね…
この前、酔っ払った時…
面白半分でネットで調べてたら、あれもこれも要るのかって。
なんか真剣になってしまって思わず買ってしまった。
でもいつ使うつもりなんだよって我に返ったんだけど。
でも酔っていたせいか、取り消しにしたつもりの注文の品がうちに届いてた。
とりあえず、ダンボールごとベッドの横に置いてあるけど…
あんなもん見つかったらヤバイ。