第18章 ポンパドール scene2
もやもやしてたら、隣から規則正しい寝息が聞こえてきた。
そっと覗き込むと、智とはまた違った可愛い寝顔があった。
色白で、まるで砂糖菓子みたいな女の子のよう。
その薄い唇は、キスしてくれと言わんばかりにつやつやしている。
ゴクリ、と唾を飲み込んだ。
たった一度。
あの宮城の夜。
俺に身体を開いてくれたニノは、とても色っぽくて。
その中性的な身体は、智とは違った妖しさを湛えてた。
ひとつひとつのパーツは不格好だったりするのに、なんでコイツっていう塊になると、妖艶なんだろう。
見とれていたら、ニノが身じろぎした。
俺はそっと肩を引き寄せた。
温かかった。
スタジオハウスに着いたら、それぞれメイクや着替えに入る。
楽屋の隅で、智とニノはじゃれながら着替えてる。
翔くんと雅紀も、お互いの筋肉を自慢しながら着替えてる。
俺は楽屋にされた部屋の隅で、メイクされてる。
「あれ?まっちゃん、肌の調子悪いね?」
昔なじみのメイクさんが、俺の肌を見て顔をしかめる。
「あ、ごめん。ちょっと寝不足」
「もう…夜遊びし過ぎなのよ…」
「最近してないって…」