第18章 ポンパドール scene2
「もお…腰いたい…」
「ごめんて…」
ベッドに寝転がりながら、俺は智の腰をもみもみしている。
「なんであんなエビ反りセックスするんだよお」
「だからごめんって言ってるだろ…」
「あんなことしたら腰痛いだけで、気持よくないよお」
「ふんっ…」
力を入れるとごきっと音がした。
「ふあああっ…」
智が固まった。
「なぁにすんだよお…」
「重ね重ねごめん…」
無理なセックスをすると、決まって後から我に返る。
こんなセックスに付き合ってくれるほど、智は俺のこと好きなのに…
何で俺、信用できないんだろ。
「それってさ、自分に自信がないんじゃない?」
「えっ?」
ニノがもしゃもしゃと鳥のささみを口に入れている。
ここは俺のいきつけの個室の居酒屋だ。
おしゃんてぃーな雰囲気なのに、ニノはヨレヨレの格好をしている。
そして平気な顔をしている。
「だって、大野さんはアンタのことが好きだって、ちゃんとわかってんでしょ?」
「うん…」
「なのに不安になるんでしょ?」
「うん…」
「だったら原因は大野さんじゃなくて、あんたの心の中だよ」