第17章 ショコラ scene2
俺は気を失ってしまったらしい。
雅紀と一緒に先生のお宅に運び込まれて、夜まで寝てた。
起きたらもう智くんは帰った後で…
遠慮したんだけど、奥様の手料理をごちそうになってお宅を辞去した。
雅紀はずっとぼーっとしてて、しゃべらない。
先生はもう心配いらないですよって言われたけど、気が気じゃなかった。
「雅紀…?」
話しかけると、雅紀はゆっくりと俺を見る。
「大丈夫?身体…」
「…うん…」
やっと喋ったことで、俺は心底ホッとした。
「…そっか…」
ハンドルを持つ手に力が入る。
早く家に帰って、雅紀を力いっぱい抱きしめたかった。
「翔ちゃん…」
「ん?どした?」
「心配かけてごめんね…?」
「雅紀…」
「泣いちゃったり…寝れなかったりしたよね…?ごめんね…?」
「い、いいって!しょうがないだろ?」
「ごめんね…俺、こんな体質じゃなかったら…」
「気にするなよ…それも含めて雅紀なんだからさ」
「翔ちゃん…」
ぎゅっと雅紀が俺の腕に絡みついてきた。
「ちょ、あぶな…」
「翔ちゃん、シたい」
「え?」
「もうがまんできない」