第17章 ショコラ scene2
「ちょ、ちょ、ちょ待てって!」
「いやだ!もう待てない!」
「雅紀!危ないっ!」
「翔ちゃあああああん!」
「わかった!わかったから!」
なんとか雅紀を宥めて家にダッシュで帰った。
玄関を閉めるなり、俺達は絡みあって。
いつかみたいに服を脱ぎながら寝室まで縺れ込んだ。
「翔ちゃん…好き…好きだよ…」
「雅紀…好きだよ…愛してる…」
ベッドの上でささやきながら、俺達はひとつになった。
それはとても幸せな時間で。
涙が出るくらい幸せで。
雅紀の中に入ると、身体をギュッと抱きしめて全身で雅紀を感じた。
雅紀、ここにいる。
俺と一緒に居てくれる…
「翔ちゃん…もっと強く抱きしめて?」
「うん…」
ぎゅうっと腕に力を入れて、より雅紀の身体と密着する。
「離さないからな…雅紀…」
「うん…俺、どんなおばけに取り憑かれても、一生、離れないから…」
「こええこというなよ…」
「んふ…」
「それでもいいよ」
「え?」
「だって俺も…離れたくないもん…」
「翔ちゃん…」
「お前が犬になったって、俺、愛する自信ついた」