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カラフルⅡ【気象系BL小説】

第17章  ショコラ scene2


突然智くんが叫んだ。


「先生っ…黒、走らせてもいい!?」


「はいっどうぞ!」


そう言うと智くんは走りだした。


「こいっ…黒っ…!」


智くんが走りだした瞬間、突風が吹いた。


御陵を取り囲む木々が一斉に葉鳴りを起こす。


雅紀も満面の笑みで走りだした。


その時、先生が突然雅紀の背中に向かって、銀の円筒を投げつけた。


雅紀の背中にばっちりと当った瞬間、雅紀が前のめりで倒れこんだ。


「雅紀っ!」


ものすごい突風が正面から吹いてきて、雅紀の身体を押し上げた。


そのまま雅紀は仰向けで後ろに倒れこんだ。


気がついたら先生以外全員地べたに倒れてて。


「大丈夫ですか?皆さん」


そう言いながら先生は雅紀に駆け寄った。


智くんもふらふらと起き上がって雅紀に寄ってくる。


「あ…良かった…」


先生は俺の顔をみて微笑んだ。


「黒、一緒にいけたようです」


「え…?」


「あ、ほんとだ居なくなってる」


智くんがにこにこしてる。


「ほんとに!?」


「ええ。良かったですね、櫻井さん」


ああ…良かったぁ…


雅紀人間に戻れる…


良かったぁ…


「翔ちゃん!?」



智くんの声が遠くに聞こえた。
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