第17章 ショコラ scene2
「わ!おっさんたち、集まってきた!」
智くんが声を上げる。
「え?そうなの?そうなの?」
智くんはそれには答えず、ざっと駆けていく。
「丸いメガネのおっさん見たことある」
「そりゃ、東条英機だろ…」
雅紀に駆け寄りながら、智くんはどんな人がいるのか教えてくれた。
やっぱり絞首刑になった人たちだった。
先生は雅紀を苦労しながら押さえてる。
「先生、俺やるよ」
智くんが変わって黒となにか喋ってる。
雅紀は智くんの顔を見て満面の笑みを見せた。
先生が汗を拭きながら、俺の隣に立つ。
「なんとか一遍で済みそうです」
「皆さん集まってきてくださったんですか?」
「ええ…広田さんや松井さんが集まってこられまして…特別かわいがっておられたみたいです」
「で、先生どうやったら無理なく黒は雅紀から出て行くんですか?」
「ああ…そうか、櫻井さんにはみせたことがありませんでしたね…」
「まさか、祓うんじゃないですよね?」
「祓いはしません。出て行きやすくするだけです」
そう言って先生は懐から銀器を取り出した。
「それ、なんですか?」
「企業秘密です」