第17章 ショコラ scene2
「え?」
「だって黒、めっちゃしっぽ振ってる」
奥様がお茶を持ってきて、智くんの話をじっと聞いている。
「相葉ちゃんは元気ないオーラだけど、黒はめっちゃ元気だよ」
「そうなの?」
「さ、冷めないうちにどうぞ」
奥様が話に割ってきた。
日本茶をいただきながら、お菓子を貰った。
雅紀の口元にお菓子を持って行くと、ぱくりと食いついた。
俺の膝の上でもしょもしょと食べている。
「あ、すげーしっぽ振ってる」
また智くんが言うと、奥様も頷いた。
膝…しびれてきた…
「黒!おいで!」
智くんが膝を叩くと、雅紀は俺の顔を見た。
『いってもいい?』
って聞いてるようだったから頷いてやったら、ぽんっと飛んでいった。
「よーしよし…」
智くんの膝に頭を載せて、雅紀はわしゃわしゃされてる。
ちょっと困った顔をしていた。
「ん?なんだお前…遊びたいのか?」
雅紀はぶるっと頭を振ると、俺の顔を見た。
『遊びたくない』
そう言ってるみたいだった。
「智くん…違うみたいよ?」
「あれ?おかしいな…」
智くんはじっと雅紀の顔を覗き込んで考えこんだ。