第17章 ショコラ scene2
「先生…どうしたらいいですかね…」
「まあ、そうですねえ…」
先生のお宅におじゃましているのに、肝心の雅紀が居ない。
今日、無理やり連れてこようとしたんだが、雅紀は逃亡した。
「これって、霊のしわざなんですかね?」
「と、言いますと?」
「いや…アイツが、心変わりしたのかなって…」
「そんなわけないでしょう!」
先生は豪快に笑った。
「あなた方の気をみていればわかりますよ。それはない」
「気?気って、オーラみたいなものですか?」
「まあ、そういう言い方もできるでしょうけど…まったく同じものではないと思います」
「そうですか…あの、例えば、なんですけど…」
「はい」
「その…例えば…」
「はい」
「えっちな気分になってる時って、わかるもんなんですか!?」
ぶふぉっと先生は噴き出した。
「す、すいません…変なこと聞いて…」
「い、いえ…ぶふっ…そんなこと、気になるんですね…櫻井さん…」
「いえその…うちの大野が、よくそういうこと言うんで…」
「ああ…そういうことですか…まあ、人によるでしょうね」
「え?」
「私は残念ながら、そういう気ははっきりとは視えないんです。その代わり、大野さんと違って霊と対話することはできる。能力の違いとでも思っておいて下さい」
「なるほど…」