第17章 ショコラ scene2
次のレギュラーの収録日までは一週間ある。
その間、俺達はそれぞれソロでやってるレギュラーとかキャンペーンの仕事が入ってる。
毎日大抵夜遅くに帰るんだけど、雅紀はロケが多いから早く帰ってくることもあった。
その日も雅紀は早めに現場を上がってきてたみたいだった。
「ただいまー。今日早かったんだな」
「うん…」
「ん?どうした?元気ないな」
「なんでも…」
リビングのソファで、膝を抱えて座ってる。
「どうしたの…雅紀…」
具合でも悪いのかと、雅紀の前に回ってしゃがんで、顔を覗き込んだ。
「え…」
顔色が、悪い。
「お前、風邪でも引いた?」
「ううん…具合悪くないよ?」
そう言ってるのに、雅紀の顔は青くて。
青を通り越して、白くて。
「ちょ、まじで病院いこ?」
「いい…ほんと大丈夫だから」
「大丈夫って顔色じゃねえだろ…」
「大丈夫って言ってるだろ!?」
「…雅紀…?」
雅紀ははっとした顔をして、俯いてしまった。
俺に抱きついてくると、一つ溜息を吐いた。
「ごめん…ほんとに具合が悪いわけじゃないんだ…なんでもないから…」
「雅紀…」