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カラフルⅡ【気象系BL小説】

第16章 グレイ scene1


無我夢中だった。


一体どうしたかなんて、覚えていない。


ただ激流のような時間が、俺達の間を流れていった。


気がついたら、俺の腕の中でむせび泣く和がいて…


「ごめん…痛かった…?」


「ううん…嬉しかったの…」


「そっか…俺も嬉しいよ…」


そう言って和を掻き抱いた。


愛おしくて、愛おしくて。


この腕にいる温かい塊を、一生離したくなくて。


俺はぎゅっと和を抱きしめた。


「和…好きだよ…」


やっと言えた、俺の思い。


和が俺を見上げた。


その目には、さっきよりも大量に溢れる涙。


「大野さん…」


「好きだ…ずっと好きだよ…」


「大野さんっ…」


ぎゅっと和が俺に抱きついてきて、俺の肩は和の涙で濡れた。


「俺も…ずっと大好き…」


「…うん…」


肌を合わせてわかった。


俺たちは


「好きだよ…和」


「好き…大野さん…」


ずっと


「嬉しい…」


「うん…嬉しいね…」


お互いを必要としてたんだ。


「和…?」


「ん…」


「これからずっと…一緒にいようね…」


「うん…ずっと…一緒にいてね…?」





月明かりが、俺達を照らしている。








end
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