第16章 グレイ scene1
和の額に掛かっている髪をかきあげて、額にキスをする。
和も俺の髪を撫でながら、俺のことじっと見てる。
和の顔を手で包んで、また唇を近づけた。
その薄い唇に、我を忘れて溺れた。
ずっとこうやっていたい。
ずっとこうやって和とくっついていたい。
和の目尻から涙がぽろりとこぼれ落ちてきた。
美しいその雫は、まるで月光から落ちてきた月の欠片みたいだった。
「なんで…泣いてるの…?」
「嬉しくて…」
和が目を閉じる。
「キス…嬉しい…」
ぎゅうっとその身体を抱きしめると、俺は離すことができなくなった。
ずっと、こうやって居たい…
「和…?」
「なあに…?」
「もっと…触ってもいい…?」
「…いいよ…」
寝室に連れて行った。
そっと和をベッドに横たえると、服を脱がせた。
和は全然嫌がらなくて。
俺にされるがままになってる。
やがて、生まれたままの姿になった和は、起き上がって俺の服を脱がせた。
「和…」
ベッドの上の和は、俺を丸裸にすると抱き寄せた。
「あったかい…」
「うん…温かいな…」
そのまま二人でベッドに崩れ落ちた。