第16章 グレイ scene1
【Sweet&painful】
ねえ…あなたに会って20年目を迎えるよ…
「ニノ…まだ居るの?」
「うん。もうちょっと…」
ゲームしながらあなたの顔も見ずに答える。
いきなり目の前に手が伸びてきて、ゲームの画面を塞ぐ。
「あっ…ちょっと!」
「えっへっへー」
ガキみたいなことすんなよ…
「いいもん…セーブしてあるから…」
「あっ…なんだよ…」
ぶーたれて、俺の隣に腰を下ろす。
「なによ…帰らないの?」
「だって、俺、お前と同じ車だもん」
「もお…そういうことは早く言いなさいよね」
「いいって…待ってるから」
そう言いながら、俺のお腹に腕を回してくる。
抱きつくと、安心したような顔をして目を閉じた。
「ばか…」
「お前、抱き心地いい…」
「知らないよ…もう…」
ゲームの電源を落として、カバンに入れた。
「終わったよ。帰ろ?」
「ん…もうちょっと…」
「なによ…どんだけ人肌に飢えてんのよ…」
「ちげーよ…お前に飢えてんの」
「何いってんの…」
ぎゅっと相葉さんの腕に力が入る。
「ほんとに抱き心地いいんだもん…」
「ばかなんだから…」