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カラフルⅡ【気象系BL小説】

第16章 グレイ scene1


「えーホント…?でもおかしいよ?」


そう言って雅紀は俺の前髪をかきあげた。


そしてぐいっとオデコをつけてきた。


ち、近っ…


「んー…熱はないみたいだけど…」


身体が急激に熱くなるのがわかった。


顔も…多分赤い。


「え…翔ちゃん…さっきより赤いよ…?」


「う、うるせー!」


思わず雅紀を振りほどいた。


「翔ちゃん…」


雅紀の切ない声が聞こえた。


「あっ…」


振り向くと、泣きそうな顔をした雅紀が居た。


「ご、ごめえええん…俺、なんかした?」


「し、してない!してないから泣くな!」


「うええええええ…」


とうとう雅紀は泣きだした。


「あああ…もう…雅紀ぃ…」


おしぼりで雅紀の涙を拭いてやる。


拭いても拭いても雅紀の目からは綺麗な涙がこぼれ落ちて。


終いには俺に抱きついてきた。


「翔ちゃああああん…」


「ああ…もう…なんだよお前…」


「おれえ…もうだめだぁ…」


「何言ってんだよ…」


「だってぇ…」


「ばっか…たかが女に振られたくらいでよぉ…」


「だって、だってぇ…」


「俺らが居るだろが…」


「だってぇ…」


「もうっ…」


ぐいっと雅紀を起こした。
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