第16章 グレイ scene1
ぜってーあとで泣かす…
「潤っ…お願いっ…ねえっ…」
「んー…雅紀かわいい…愛してる…」
俺の手を引き寄せ、指にキスをする。
エンゲージリング…
潤の唇が触れた瞬間、俺の身体にものすごい快感が走っていった。
「わっ…雅紀どうしたの!?」
潤の手の中の俺が、ぐんと大きくなった。
「だって…潤…指輪…」
むふっと潤が笑うと、そっと俺を繋がったままベッドに寝かせた。
「嬉しい…雅紀…指輪、そんなに喜んでくれてたんだね…」
あれから半年以上過ぎてる。
だけど、俺は嬉しくて嬉しくて。
ふたりきりの時しかつけることはできないけど、いつでも新鮮な気持ちで指輪をつけることができた。
「だって…嬉しいんだもん…」
潤が真剣な顔になった。
じっと俺を見つめると、ぎゅっと俺を抱きしめた。
「雅紀…愛してるよ…」
「潤…」
潤の熱い吐息が耳にかかると、身体がぶるっと震える。
潤は起き上がると、なにか取り出した。
手錠…
「おい…何すんだよ…こんないい雰囲気なのに…」
じりっと後ずさりすると、潤はにやっと笑う。
「だって、手錠がなかったら俺たち付き合ってないんだよ?」