第1章 しあわせはここにある-parallel-
二宮side
大野さんは叫ぶとブルブルと震えだした。
「見るな…見るな…見ないで…」
後ろから翔さんが駆け寄ってきた。
「智くんっ…」
俺は手で翔さんを制した。
「見るなーっ…見ないでーっ…」
「翔さん…皆、あっち連れてって…」
俺の後ろには潤と相葉さんが立ってた。
青ざめてなにも言えなくなってた。
「どっちも落ち着かせないと…」
「わかった…」
翔さんが、青ざめてる二人を連れて部屋の外へ出た。
「大野さん…?俺だよ…わかる?」
「こないで…こないで…」
その肩にそっと触れた。
「やだっ…さわらないでっ…」
大野さんが動いて身体を逸らす。
俺はそれでもじりじりと距離を詰めた。
「大野さん…大丈夫だから…」
そう言ってそっと肩を抱いた。
「やだぁっ…さわっちゃダメぇ…」
顔中涙だらけにして後ずさる。
強引に抱きしめた。
パタリと大野さんの手が落ちた。
体中から力が抜け落ちた。
「…だめだよ、触っちゃ…ニノが汚れちゃう…」
儚げな笑顔を浮かべた。
その顔をみたら動けなくなった。
大野さんが、俺の手を払って立ち上がろうとした。
ガクンと膝が折れたかと思うと、仰向けで大野さんは倒れこんできた。
気を失っていた。