第15章 インディゴ scene3
「翔ちゃん、いいの?」
ニノが心配そうに顔を覗き込んでくる。
俺は止まらず足を進めた。
「いい…あの二人、俺に飽きたんだよ…」
「えっ…」
「だから、もういいよ…」
「そんなことないって!翔くん!」
潤が一生懸命になってくれたけど、俺の心は晴れなかった。
「翔ちゃん、飲むか!」
明日はオフだった。
ニノの提案で、潤の家で飲むことになった。
マネージャーに頼んで、潤の家で降ろしてもらう。
「今日はとことん飲もうよ!ね!」
ニノが明るく言ってくれる。
「ありがとな…」
キャップを目深に被りながら言うと、二人して俺の背中を叩いた。
「ほらあ!そんな湿気た顔しないの!」
「いてーわ!」
潤の部屋に入ると、二人は腰に手を回して仲良く歩いた。
それを見て、心臓がずきんと痛んだ。
もう、智くんと雅紀には、あんなことしてもらえないんだろうな…
またじわっと涙がこみ上げてきて、慌てて目尻を拭った。
「翔ちゃん、ビールでいい?」
ニノがキッチンから声を掛けてくれる。
「ああ。むしろビール飲みたい…」
潤がニコニコしながらグラスを持ってくる。
いいな…二人は。
本当に自然に二人でいるのが絵になっていた。