第15章 インディゴ scene3
「やめろよっ…」
無理やり引き剥がすと、強引に楽屋を出た。
涙が止らない。
自分たちの楽屋に戻ると、荷物を取って走りだそうとした。
「待って!どうしたの?翔ちゃん…」
ニノが俺のカバンを掴む。
「そうだよ…なんかあったの?あの二人と…」
潤も心配そうに俺の傍に立つ。
「なんでもな…」
「わっ…翔くんっ!」
拭ったのに、また新しい涙がこぼれ落ちてきて。
潤が慌てて俺の頬を拭った。
「どうしたの…翔くん…」
「さっき、抱いてくれないって言ってたけど…あの二人と会ってないの?」
「…最近、二人とも会ってくれない…」
「えっ!?」
「どういうこと?二人とも?」
「うっ…」
「ああ…ああ…翔ちゃん…」
ニノが俺を抱きしめてくれる。
「泣かないの…」
潤が俺の肩に手を載せる。
「翔くん…」
止まらない涙を見られたくなくて、顔を伏せる。
ニノが俺の頭に、帽子を被せた。
「とりあえず、今日は帰ろ?」
そう言って俺の手を引いて歩き出した。
楽屋の外で、智くんと雅紀が俺を待っていたけど、二人と顔をあわせられない。
「翔くん…」
智くんが呼びかけてきても、返事をすることができなかった。