第15章 インディゴ scene3
「じゃあなんなの?最近…」
「翔くん、ごめんね…?」
そっと腕を引き寄せられる。
「どうしたの?二人とも…」
振り返ると雅紀が立っていた。
「ちょっとまずいよ…」
そう言って手を引かれて、空いてる楽屋に押し込まれた。
「どうしたの、あんなところで…」
「別に…」
手を振り払って楽屋を出ようとした。
ぐいっと引っ張られて、俺は智くんの胸に倒れこんだ。
「ごめん…翔くん…」
「どうしたの…?教えて?」
雅紀がふわりと俺の髪を撫でる。
「…なんで…二人とも、俺を避けるの?」
「えっ?」
「なんで、俺と会ってくれないの?抱いてくれないの?」
だんだん涙がこみ上げてくる。
「お、俺のこと、嫌いになったの…?」
「違うよ…翔ちゃん…」
「だって、じゃあなんで!?」
目に溜まった涙が、ぽろりとこぼれ落ちた。
堰を切ったように、涙が次々とあふれだす。
「二人でコソコソして…俺のこと、飽きたんでしょ…?」
「だから違うって…!」
ぐいっと顎を持ち上げられると、雅紀の唇が突然降ってきた。
「んんっ…」
抵抗しても、二人がかりで抑えられて振りほどけなかった。