第14章 檸檬
キッチンで、朝食(昼食)を作ってると、相葉さんと翔さんが起き出してきた。
「ごめん…ニノ。手伝う」
「うん…よろしく」
三人でご飯をだらだら作って、カズヤの部屋に持っていく。
ドアをノックすると、カズヤの元気のいい返事が聞こえる。
若いって素晴らしいね…
「カズヤ、ご飯だよ」
「ありがとう」
トレーを持って、部屋の中央に置いてあるテーブルに載せる。
「カズヤ頑張ってるか?」
翔さんが机を覗き込む。
「うわ…もうこんなのやってんの?凄いなあ…」
翔さんが驚いた声を出した。
「ふふ…もう、ついてくだけで大変だよ…」
「頑張れ…お前ならできるから」
「うん」
「カズヤ、食べちゃいな」
相葉さんが手招きする。
炊きたての御飯に、焼き鮭、味付け海苔に、温泉卵。
カズヤの大好きな、豆腐と長ネギのお味噌汁。
「うわあ!旅館のご飯みたい!」
「ニノが頑張って作ったんだよ。温泉卵がすっごい難しそうだった」
「すっごい!これも作ったんだ!?」
「だってカズヤ好きじゃん」
「え?知ってたの?」
「あたりまえです。あなたのお母さんなんだから」
ふふっと笑うと、皆わらった。