第14章 檸檬
こんなに素敵な家族が居るんだもん…
「俺はこの家のおかあさんなんだから、大丈夫…」
ふたりの身体をぎゅっと抱き寄せた。
「さ、うちの子の様子見に行こうか?」
三人でリビングを出て、寝室に向かう。
ドアを開けると、ベッドの真ん中ですやすや眠るカズヤが居た。
「あーあ…髪も乾かさないで…」
無理やり起こして、ドライヤーをかける。
「んー…ねむぃ…」
「我慢しろって。ほら、もうすぐ乾くから…」
「ねみゅい…」
そのまま身体がグラグラ揺れる。
「ああっ…もう!」
相葉さんが笑ってカズヤの身体を支える。
「だーめだこりゃ」
「ほんっとうちの子は、よく寝るねえ…」
翔さんはカズヤのパジャマを直してる。
「あ…」
翔さんが声を上げた。
「ん?」
「これ、雅紀のパンツじゃね?」
「あれ。ほんとだ」
「あれ…俺、間違えた?」
「いや…そんなはず…」
「あれ。このTシャツ、翔さんのじゃね?」
「あ、ほんとだ…俺のだ」
「で、このパジャマ、俺のやつ、無理やり奪っていったやつ…」
つまり、カズヤは全身俺達のものを身に着けてた。