第2章 アザリア
涙が次から次へと頬を伝ってきた。
多分熱があったせいもあると思うんだけど、本当に涙が止まらなくて苦労した。
暫く泣いていたら、しゃっくりが止まらなくなった。
最終的にえぐえぐとこみ上げてきて、子供みたいに泣いてしまった。
もう、潤は帰っちゃったんだろうな…
そう遠い意識で思いながら、俺は泣いていた。
レースカーテン越しに見える街が白い。
俺の頭の中も真っ白になったらいいのに。
「見つけた…」
背後から声が降ってきた。
カーテンを無理やり剥ぎ取られる。
「なんで…こんなとこにいるんだよ…翔くん…」
「潤…」
「なんで…泣いてるの?」
そういうと、悲しそうに微笑んだ。
「翔くん…おいで?」
そういうと、潤は手を伸ばした。
「え…」
「いいから、ほら…」
俺の手を掴むと、引っ張って立ち上がらせてくれた。
「もう…しゃっくりしてくんなきゃ、どこにいるかわかんなかったよ…」
そう言いながら、潤は下を向いてしまった。
すぐに何かを決意したような顔をこちらに向けると、じっと俺の顔をみた。
「さっき言ったことだけどさ…」