第13章 インディゴ scene2
「あの二人だって、悪気ないんだからね?」
「わかってる…」
楽屋のドアが開いて、潤が駆け込んできた。
「あ、これ使って」
いつも潤が使ってる氷嚢を手渡された。
「翔くん…大丈夫?」
頷くと、にっこり笑った。
「よかった…今日、頑張ろうね?」
「うん…」
そのまま潤はダッシュで楽屋を出て行った。
「さ、翔さん横になろうか…」
ニノの膝枕で、氷嚢を目に当てて横になった。
冷たくて気持ちいい…
「ねえ…ニノ…」
「んー?」
「今日ね、雅紀の誕生日のお祝いしようと思ってたの…」
「あ、そうなんだ」
「でもこんなんじゃ無理だよね…」
「なんで?」
「だって、皆に迷惑かけたし…」
「何いってんの…それはそれ、これはこれでしょ?」
「でも…こんなに泣いちゃって…俺…」
「翔さん…大丈夫だよ…」
「嫌われてないかな…」
「ばかだなぁ…そんなことないよ」
「でも…」
「もう…翔さん…いつからそんな乙女になったの…」
くすくす笑いながら、ニノが俺の耳元に口を寄せた。
「いいこと教えてあげるから…ね?」