第13章 インディゴ scene2
翌日は、痛むお尻を抱えて東京ドーム。
いよいよツアーの最終日程だ。
「智くんのばか…あんなに指でぐりぐりしなくても…」
思わずひとりごちてしまうくらい痛い。
智くんも…誕生日のとき、こんなだったのかな…
なんだか悪いことしたな…
大阪の初日だったのに…
「うう…痛い…」
腰をさすりながら歩いてると、後ろから笑いを我慢するくぐもった声。
「う!?」
振り向いたら雅紀が居た。
「翔ちゃん…どうしたの、それ」
「い…いや…」
「へっぴり腰…」
「なんでもないって」
にこにこして俺に歩み寄ると、耳元でこそっと囁いた。
「もしかして誕生日プレゼント、用意してくれてる?」
「え?あ…う…」
「んふ…智、乱暴でしょ…」
「えっ?」
「俺も初めてんとき、痛かったなー…」
「え?え?あんなことに、うまい下手あんの?」
「やっぱ、経験の差じゃない?俺のほうが挿れられてるし」
「ぶっ…」
「今晩、俺がやってあげる」
「だっ…だめだよ!明日初日!」
「智のときだって、そうだったじゃん」
「あ…」
「挿れはしないから…ね?」
「俺の身がもたねえよ…」
「優しくするから…」
そっと耳に舌を入れられて、身体がぶるっと震えた。