第13章 インディゴ scene2
シャワーから出て、ふたりで服を着てる時に智くんが現れた。
「あれ?遅かったじゃん」
雅紀が声を掛けると、虚ろな目でこちらを見る。
「ど、どうしたの?」
「んー…別に…」
服を着たまま入っていこうとする。
「ちょ、ちょ、待って!智!」
雅紀が慌てて腕を掴むと、額に手を当てる。
「やっぱり…翔ちゃん、熱あるわこれ…」
「えっ…」
平気だってばを連呼する智くんを引きずって楽屋まで戻る。
マネージャーに体温計を借りて、熱を図ると37度8分…
普段めったに熱を出さないから、相当ダメージが来てるみたくて。
「病院行ってきな?」
「うん…」
智くんはマネージャーに連れられて、福岡市内の病院に行った。
俺達もついて行きたかったけど、そこはこらえて初日打ち上げに参加した。
でもあんまり味もわからなくて、早々にホテルに引き上げた。
ちょうどそこに智くんが帰ってきたから、雅紀とふたりで智くんの部屋に集合した。
「どう?具合は」
「ん…点滴してもらったから…」
「そっか。よかった」
そっと智くんの横に身体を横たえた。
「ここにいてもいい?」