第10章 チャイニーズ・ローズ
ソファで果てた俺を抱えて、あの寝室へ行く。
寝室は、温かなラグが敷き詰められて。
冷たい部屋はどこにもなかった。
そっと俺をベッドに寝かせると、また翔くんが入ってきて。
いつ果てるともわからない交合を、朝まで繰り返した。
「翔く…」
「潤…」
最後に名前を呼び合って、ぎゅうっと手を握り合った。
翔くん…
翔くん…すきだよ…
もう、離れたくないよ…
俺には、翔くんしかいないよ…
身体の奥深く、翔くんが俺に徴を放った。
目が覚めたら、寝室で布団を被って眠っていた。
「あ…仕事…」
慌ててスマホを探すけど、どこいったんだ…
あ、リビングか…
なんにもなかったから、とりあえずクローゼットから翔くんの服を取り出して羽織った。
身体を綺麗に洗い流してあって、顔が赤くなる。
翔くんに拭いてもらったんだ…
リビングに行くと、誰かの話し声がした。
聞き覚えのある声…
扉を開けると、彼女がソファに座っていた。
「なんで…」
「潤…」
彼女は微笑んだ。
「ありがとう…こんな素敵なお家…」
「え…?」