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カラフルⅡ【気象系BL小説】

第10章 チャイニーズ・ローズ


すべて、レールの上に乗ってた。







それから出る報道は、全て事実で。


俺は彼女と暮らし始めた。


最初のうちは、鬱々していた彼女もだんだん元気になってきて。


今は、新しい映画の撮影に出ている。


スマホが鳴る。


久しぶりのオフ。


今日は、コンサートがないから東京でゆっくりとしていた。


「もしもし…」


電話の向こうは、無音で。


ただ、少しだけ聞こえる息遣い。


「大丈夫だよ…俺、生きてるから…」


コツ…コツ…と音が聞こえる。


スマホを指で叩く音。


”あ・い・た・い”


そう、聞こえた。


窓から下を見たら、見覚えのある車が止まっていた。


「来てくれたの…?」


コツ…


「俺を…迎えに来てくれたの…?」


コツ…


涙が溢れて止まらなかった。


ごめん…


でも行けない…


俺、守らなきゃ…守らなきゃいけないんだ…


「うっ…ひっく…」


『泣くなよ…』


「だっ…だって…」


『降りてこい』


「だって…行けない…」


『大丈夫だから…』


「でも…」


『いいから…来い』


すぐに通話が切れて。


みつめていた車から、愛しい人が降りてきた。


まっすぐ、俺の方を見つめる。
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