第10章 チャイニーズ・ローズ
「くっ…潤っ…いい…気持ちいい…」
飾らない翔くんの言葉が嬉しくて。
「俺もっ…気持ちいいっ…」
翔くんの動きにあわせて、視界が揺れる。
翔くんの顔も、揺れる。
そっと頬に手を添わせると、翔くんの手がぎゅっとそれを握りしめた。
「潤っ…」
「翔くんっ…」
自分が発火するかと思った。
熱い熱い熱が身体を突き刺して、そのまま俺は動けなくなった。
翔くんが倒れこんできて、俺に覆いかぶさった。
荒い息を継ぎながら、翔くんが俺の髪を撫でる。
「潤…」
そっと俺を腕に包むと、満足気なほほ笑みを見せる。
「翔くん…すきだよ…」
背中に腕を回して、ぎゅっと抱きついた。
もう、離さないよ…
翔くん…
朝の光が部屋に差し込んでも、まだ眠れなかった。
眠っている翔くんの顔を眺めていたら、時間を忘れた。
そっと頬に触れると、うるさそうに上を向いた。
「翔…?」
眠ったままの翔くんに呼びかける。
「翔…すきだよ…」
投げ出された手を、ぎゅっと握って引き寄せた。
「すきだ…」
このぬくもりが、傍にあればいい。
それだけで、いい。