第10章 チャイニーズ・ローズ
「翔くん…すきだよ…」
一方通行でもいい。
そう思った事もあった。
でも…
翔くん…俺、わかっちゃったんだ…
「翔…くんは…?」
「……」
いいんだ…答えなくても…
わかってる。
ぎゅっと抱き寄せると、顔が近づいた。
翔くんの漆黒の闇は、俺を飲み込んでいく。
「潤…」
そう…名前…
呼んでくれるだけでいい…
「翔くん…きて…」
俺が誘うと、翔くんはぐっと歯をくいしばって入ってきてくれて。
「っ…はぁっ…潤っ…」
今まで聞いたことのないような声を上げて悦んでくれて。
「翔くんっ…」
嬉しくて…嬉しくて…
ぎゅっと掴んだ肩を引き寄せたら、身体が密着して。
翔くんの鼓動が聞こえてきて。
「潤…ダメだ…」
情けない声を出すからおかしくて。
「笑うな…」
額を叩かれて。
でもその後すぐに、ちゅっと額にキスをくれて。
「いいよ…翔くん…俺ももうイきそうだもん…」
ふっと笑った翔くんの顔は、とても綺麗で。
「じゃあ…遠慮なく」
そう言って、いきなり突き上げてきた。
「あっ…あ…翔…っ…」