第10章 チャイニーズ・ローズ
「なんだろ…?」
そうこうしてるうちに、玄関のチャイムが鳴った。
「誰だろ…何…?」
彼女が怖がって、くっついてきた。
「大丈夫。鍵締まってんだから…」
ぽんぽんと背中を叩くと、安心した笑顔を見せた。
その時、ガチャガチャっと乱暴な音が聴こえて。
「え…」
彼女の身体が強ばった。
「隠れてろ」
そういうと玄関に走った。
「え…」
「よう…居るんじゃねえか…」
そこに居たのは、泥酔した翔くんだった。
「な、んで…」
「お前が電話出ないからだろ…?」
翔くんが近づいてくる。
「やっ…こないでよっ!」
「なんでだよ…潤…」
「どうして!?うちの鍵持ってるんだよ?」
翔くんはふっと笑うと、鍵を取り出した。
「俺が言えば、マネージャーだってイチコロだろ…」
「そんな…」
「潤…なんで来てくれないんだよ…」
「来るな…」
「え…?」
「翔くんにとっちゃ遊びかもしれないけど…俺は…真剣だったんだ…」
「潤…」
「俺、彼女と結婚するよ」
翔くんの動きが止まった。
「いいだろ?嵐だってここまで売れたんだし…俺の結婚報道なんて腐るほど出てるんだし…」